自我の芽生えとその発育について

最近は無駄なことに脳の容量を費やす傾向にあるように思う。
そのせいか、思い出せないことが時々ある。
この前もそうだ。ある作品が思い出せずにいた。
断片的に思い出せるのだが、どこでその情報を得たのかが不明瞭だ。
本だったかドラマだったかゲームだったかアニメだったか。
断片的に思い出せる情報は、
・未来から来た女性(少女だった気がする)についての話
・未来の食事は流動食しか存在しない
・未来に関する情報を聞こうとすると答えられないと言われる
・時々、危うく未来について口にしてしまいそうになるが寸前で留まる
以上。


さて、何だったのだろうか。タイムスリップ的にはありがちな設定だ。
さんざ思い出そうとするが、これ以上の情報がうんともすんとも出てこない。
最近見た(聞いた)ことは間違いない。
一日中頭に引っかかる感覚がもどかしい。
もしかすると夢で見た出来事かもしれない。
夢というのは存外変なところは覚えていたりする。
印象深い夢は年を経ても覚えていたりするものだ。


昔、幼いころに母方の田舎の家に遊びに行った時のこと。
おばあちゃんに付いて行って何かを買いに行ったことがある。
ずっと手を引いてもらっていたのだが、何かに一瞬気を引かれたのだろう、横に顔を向けた。
顔を前に戻すと、手をつないでいたはずのおばあちゃんがいない。
けれどすぐにおばあちゃんの姿を見つけた。
あそこだ。大分遠くなのにも関わらず確信めいたものがあった。
たたたと駆け寄り、おばあちゃんの手を取る。「おばあちゃん」
しかし振り向くとまったくの別人だった。なぜだろうか。
何も言えずに手を離す。その人から何か言われた気がしたが覚えていない。
「○○ちゃん、こっちやで」と後ろのほうからおばあちゃんの声がした。
今度は間違いなくおばあちゃんだった。どうやら追い越してしまったようだ。
おばあちゃんに駆け寄り、しっかりと手を握る。
思い返すと何だか恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。


全然関係ないことを思い出してしまった。
しかし、今考えるとこれも本当に起こった事なのか夢なのかがはっきりしないことだ。
そのワンシーンだけをやけに覚えていて、それ以外のことは思い出せない。
夢かどうか聞こうにも祖母は他界しているので聞きようが無い。
母に聞けば覚えているかもしれないが、おそらく覚えていないだろう。話した記憶も無い。
恥ずかしい気持ちが強かったから、その部分だけを鮮明に覚えているのかもしれない。
夢か現か幻か。


翌日、パッと未来人の話のネタを思い出した。
思い出してしまうと、ああなんで思い出せなかったのか、という気分になるから人間は不思議なものである。